
「外国人雇用サービスセンターという名前は聞くけれど、企業が直接求人を出せるのか、どんなサポートを受けられるのか、いまいち明確ではない…」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?実際 多くの企業様が、深刻な人材不足を背景に外国人材の採用に期待を寄せる一方で、複雑な制度や文化の違い、そして「どの公的機関に相談すべきか」という情報収集の壁に直面しています。
この記事では、「外国人雇用サービスセンター」が企業にとってどのような役割を果たすのか、そして企業が外国人材採用を成功させるために、このセンターをどのように「間接的に」活用できるのかを、具体的な方法と注意点を交えて徹底的に解説します。ハローワークや民間人材紹介会社との違いを明確にし、貴社に最適な外国人材採用ルートを見つけるためのヒントを提供します。
STAYWORKERは、外国人材の採用支援において豊富な実績と専門知識を有しています。本記事は、厚生労働省や法務省といった公的機関の最新情報に基づき、外国人雇用に詳しい行政書士の監修のもと作成されています。信頼性の高い情報で、貴社の外国人材採用を強力にサポートします。
目次
外国人雇用サービスセンターとは?企業が知るべき基本情報
外国人雇用サービスセンターは、厚生労働省が管轄する公的な機関です。その主な目的は、
日本での就職を希望する外国人材への支援にあります。特に、「技術・人文知識・国際業務」などの専門的・技術的分野の在留資格を持つ方や、日本の大学・専門学校を卒業して日本で就職を目指す外国人留学生が主な対象です。
このセンターは、求職者に対して職業相談や職業紹介、就職ガイダンス、面接対策、インターンシップの紹介など、日本での就職活動に必要な多岐にわたるサポートを
無料で提供しています。
つまり、
外国人材が日本でキャリアを築くための専門的な支援を行う場と理解することが重要です。企業様は、このセンターを「外国人材が利用する公的な就職支援機関」として認識し、間接的にその機能を活用していくことになります。
■そもそもどんな機関?(企業にとっての「間接的な」メリットを示唆)
外国人雇用サービスセンターは、外国人材が日本で安定的に就労し、定着できるよう支援するために設立されました。これは、日本の労働力不足を補うという国の政策上の重要な位置づけを持っています。
提供される具体的なサービスは以下の通りです。
- 職業相談・職業紹介: 外国人材一人ひとりのスキルや経験、希望に合わせた職業相談を行い、適切な求人情報を提供します。
- 就職ガイダンス: 日本の就職活動の進め方、ビジネスマナー、履歴書・職務経歴書の書き方、面接対策など、実践的な知識を教えるセミナーを開催します。
- インターンシップ・就職面接会: 企業と外国人材の接点を創出するためのイベントを企画・実施します。
企業様がこれらのサービスを直接利用することはありませんが、間接的に「外国人材が質の高い就職準備をする場」「日本での就職に意欲的な人材が育つ場」として把握しておくことは、採用戦略を考える上で非常に重要です。特に、
高度な専門性を持つ外国人材や、特定技能の在留資格を持つ外国人材の支援に力を入れています。
■企業が直接利用できるサービスはあるのか?
結論から申し上げますと、企業が外国人雇用サービスセンターに
直接求人票を提出したり、個別に人材紹介を受けたりするサービスは、原則として提供されていません。
企業が外国人材を募集する際の主な窓口は、日本の一般的な企業が利用するのと同様に、地域のハローワークや、外国人材に特化した民間人材紹介会社となります。
ただし、外国人雇用サービスセンターが開催する
合同企業説明会や特定の就職イベントでは、企業が参加して外国人材と直接交流し、採用に繋がる接点を持つ機会が提供されることがあります。これらのイベント情報は、センターのウェブサイトなどで確認できますので、積極的にチェックすることをおすすめします。
■外国人採用におけるセンターの役割をたとえ話で理解する
外国人雇用サービスセンターの役割を、企業側から見て分かりやすい例え話で説明しましょう。
外国人材採用を「釣り」にたとえるなら、外国人雇用サービスセンターは「魚(外国人材)がスキルを磨き、就職準備をするための豊かな育成池」のようなものです。企業は直接池に網を投げ入れる(求人を出す)ことはできません。
しかし、池の近くで釣り糸を垂れる(情報収集やイベント参加)ことで、良質な魚に出会うチャンスを増やすことができます。つまり、センターは企業に直接魚を届ける場所ではなく、
企業が「釣りたい魚」が育っている場所として認識することが、賢い活用法と言えるでしょう。
なぜ企業は「外国人雇用サービスセンター」を検索するのか?背景にある採用課題
多くの人事担当者様が「外国人雇用サービスセンター」というキーワードで情報を検索される背景には、共通の採用課題やニーズが存在しています。
■人材不足の深刻化と外国人材への期待
日本は少子高齢化が急速に進み、多くの業界で労働力不足が深刻化しています。特に、帝国データバンクの調査などでも、人手不足を訴える企業の割合は高水準で推移しており、専門性の高い分野や特定の技能を要する現場では、必要な人材を国内だけで確保することが困難になりつつあります。
このような状況下で、外国人材は貴重な労働力として、また企業の多様性を高める上で大きな期待が寄せられています。特に、専門知識を持つ「高度人材」や、即戦力となる「特定技能」の在留資格を持つ外国人材への関心が高まっています。
■ 複雑な外国人雇用制度への不安
外国人材の採用には、日本人とは異なる独自の制度や手続きが伴います。
- 在留資格(ビザ)の種類と取得要件
- 出入国在留管理庁への申請手続き
- 雇用後の法務・労務管理
- 生活支援や文化的な配慮
これらの複雑さに、「どこに相談すればいいのか分からない」「自社で対応できるのか不安」と感じる企業様は少なくありません。公的機関である外国人雇用サービスセンターに、何らかのサポートを期待して検索するケースが多いのです。
■採用コスト削減と公的支援への関心
民間人材紹介会社を利用した場合、採用成功時の手数料は決して安くありません。そのため、採用コストを抑えたいと考える企業様にとって、公的機関である外国人雇用サービスセンターが、費用を抑えた採用手段となり得るのではないかという期待があります。
また、外国人材の雇用に関する国の助成金や支援制度についても関心が高く、そうした情報を得るためにセンターの情報を探す企業様もいらっしゃいます。
【重要】外国人雇用サービスセンター vs. 他の採用チャネル徹底比較
外国人材採用を検討する際、企業様が比較検討する主なチャネルは「ハローワーク」「民間人材紹介会社」「そして外国人雇用サービスセンター(間接的な活用)」の3つです。それぞれの特徴を理解し、最適な選択肢を見つけることが成功への第一歩となります。
■ハローワークとの違い:得意分野と連携の可能性
〇ハローワーク:
- 主な対象: 幅広い層の求職者(日本人・外国人問わず)。
- 提供サービス: 企業は直接求人票を提出でき、求人掲載は無料。職業相談、職業紹介、雇用保険手続きなど
- メリット: 費用をかけずに求人を出せる。全国に拠点があり、多くの求職者にリーチできる可能性。
デメリット: 外国人材に特化した専門的なサポートは限定的。マッチング精度は企業側の努力に依存する部分が大きい。
〇外国人雇用サービスセンター:
- 主な対象: 日本での就職を希望する高度外国人材、外国人留学生。
- 提供サービス: 外国人求職者への専門的な職業相談・職業紹介、就職ガイダンス、イベント開催など。企業への直接的な求人受付は原則行わない。
- メリット: 日本での就職意欲が高く、専門性を持つ外国人材が集まる傾向がある。
- デメリット: 企業が直接求人を出す窓口ではない。
連携の可能性:
ハローワークに求人を出した上で、外国人雇用サービスセンターが開催する外国人向けのイベント情報をチェックするなど、両者を複合的に活用することで、外国人材との接点を増やすことが可能です。
■民間人材紹介会社との違い:費用とサービス範囲
〇民間人材紹介会社:
- 主な対象: 企業のニーズに合った特定のスキルや経験を持つ人材。外国人材に特化した会社も多数。
- 提供サービス: 企業の採用ニーズをヒアリングし、条件に合った人材をピンポイントで紹介。ビザ申請サポート、採用後の定着支援、文化研修など手厚いサービスも。
- 費用: 成功報酬型が一般的で、採用者の年収の〇〇%(例:30%〜35%)など、費用は高め。
- メリット: 採用活動の手間を大幅に削減できる。専門性の高い人材や、特定の在留資格を持つ人材を効率的に探せる。採用後のフォローも期待できる。
- デメリット: 採用コストが高い。
〇外国人雇用サービスセンター:
- 提供サービス: 求職者側の支援が中心で、企業への直接的な人材紹介は行いません。
- 費用: 無料。
それぞれの利用シーン:
- コストを抑えたい、広範囲に募集したい場合: ハローワークや、センターが開催するイベントへの参加を検討。
- 特定のスキルや経験を持つ人材を迅速に採用したい、採用後の手厚いサポートも重視したい場合: 民間人材紹介会社の活用が有効です。
■御社に最適な選択肢は?フローチャートで判断
企業の採用ニーズによって、最適な外国人材採用チャネルは異なります。以下のフローチャートで、貴社の状況に合った選択肢を見つけてみましょう。
企業が外国人雇用サービスセンターを「間接的に」活用する具体策
外国人雇用サービスセンターは、企業にとって直接的な採用窓口ではありませんが、その機能を「間接的に」活用することで、外国人材採用の成功確率を高めることができます。
■求職者向けイベント情報の活用と広報戦略
外国人雇用サービスセンターは、外国人求職者向けに様々なイベントを定期的に開催しています。これには、就職ガイダンス、合同企業説明会、面接会などが含まれます。
活用方法:
- 情報収集: センターのウェブサイトやSNSで、これらのイベント情報を常にチェックしましょう。
- イベント参加: 企業が参加可能な合同企業説明会や面接会には積極的に参加し、直接外国人材と交流する機会を創出します。これは、求人票だけでは伝わらない企業の魅力や文化を直接アピールできる貴重な場です。
- 効果的な広報戦略: イベント参加時には、以下の点を意識して貴社の魅力を伝えましょう。
- 多言語対応: 企業パンフレットや説明資料を多言語(英語、中国語、ベトナム語など)で用意する。
- 企業文化の紹介: 日本での生活や仕事に不安を感じる外国人材に対し、貴社のサポート体制や働きやすい環境を具体的に伝える。
- 具体的なキャリアパス: 外国人社員がどのように活躍し、キャリアアップできるのかを具体的に示す。
■センターを通じて紹介される外国人材の特性
外国人雇用サービスセンターを利用する外国人材は、主に以下のような特性を持っています。
- 日本語能力: 日本での就職を目指しているため、日常会話レベル以上の日本語能力を持つ方が多い傾向にあります。センターでの就職ガイダンスを通じて、ビジネス日本語やビジネスマナーを学んでいる可能性もあります。
- 専門性・就職意欲: 「高度人材」や「就職希望の外国人留学生」が中心であるため、特定の専門知識や技術を持ち、日本でのキャリア形成に高い意欲を持っていることが期待できます。
- 日本文化への理解: センターの支援を通じて、日本社会や企業文化への理解を深めている場合があります。
これらの特性を理解することで、求める人材像とのミスマッチを減らし、より効果的な採用活動に繋がるヒントを得られるでしょう。
■特定技能外国人の採用に関する情報収集と相談
特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するため、特定の産業分野で即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格です。外国人雇用サービスセンターは、特定技能外国人の就職支援も行っています。
活用方法:
企業様は、センターを通じて特定技能制度に関する一般的な情報(制度の概要、対象分野、登録支援機関の役割など)を収集できる可能性があります。制度の基本的な仕組みを理解する上で役立つでしょう。
注意点:
しかし、外国人雇用サービスセンターは、個別の特定技能人材の紹介や、ビザ申請手続きの代行を行う機関ではありません。特定技能外国人の採用に関する具体的な求人紹介や、複雑な手続きについては、専門の登録支援機関や行政書士に依頼することが必須となります。
[特定技能ビザ申請の全手順と必要書類に関する詳細記事へ]
よくある質問(企業向けFAQ)
企業の人事担当者様からよくいただく「外国人雇用サービスセンター」に関する質問とその回答をまとめました。
Q1: 外国人雇用サービスセンターに求人票を直接出すことはできますか?
A1: いいえ、原則として企業が直接求人票を出すことはできません。外国人雇用サービスセンターは、主に外国人求職者への就職支援を行う機関です。企業が求人を出す場合は、ハローワークや民間人材紹介会社をご利用ください。
Q2: センターは特定技能人材の紹介も行っていますか?
A2: 外国人雇用サービスセンターは、特定技能外国人の就職支援も行っていますが、企業への個別の求人紹介や手続き代行は原則行っていません。特定技能人材の採用や手続きに関する具体的な相談は、登録支援機関や行政書士にご依頼ください。
Q3: センターの利用に費用はかかりますか?
A3: 外国人雇用サービスセンターのサービスは、求職者・企業ともに無料で利用できます。ただし、企業がセンター主催のイベントに参加する際に、参加費用が発生する場合がありますので、事前にご確認ください。
Q4: 採用後の外国人材のトラブルについて相談できますか?
A4: 外国人雇用サービスセンターは、求職者側の生活相談の一部を受け付けている場合がありますが、企業側の雇用後のトラブル(労働問題、文化の違いなど)に関する専門的な相談は、労働基準監督署、弁護士、行政書士、または特定技能の登録支援機関など、それぞれの専門機関にご相談いただくことになります。
まとめ:外国人雇用サービスセンターを外国人材採用戦略にどう組み込むか
この記事では、外国人雇用サービスセンターが企業にとってどのような役割を果たすのか、そして貴社の外国人材採用戦略にどう組み込むべきかを解説しました。
重要なのは、外国人雇用サービスセンターが「直接的な採用窓口」ではなく、「日本での就職を目指す意欲的な外国人材が育ち、情報を得るための重要なハブ」であるという点です。企業が外国人材採用を成功させるためには、このセンターの機能を間接的に活用しつつ、ハローワークや民間人材紹介会社との連携、そしてSTAYWORKERのような専門パートナーの活用が不可欠です。
STAYWORKERは、外国人材の採用から定着まで、貴社に寄り添い、最適なソリューションを提供いたします。外国人材採用に関する疑問や不安がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
執筆者:STAYWORKER事業部 / 益田 悠平
監修者情報:外国人採用コンサルタント / 堀込 仁志
株式会社USEN WORKING所属。特定技能制度が創設された2019年の当初から、一貫して外国人採用の最前線に携わる。これまで、外国人の採用コンサルタントとして、介護・外食分野を中心に数多くの企業を支援。